乳児のスキンケアについて
1)乳児湿疹でバリア機能の低下した皮膚(特に顔・首・胸)によだれを介して食べ物の成分が付くことでアレルギーの感作が起こり、それがアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症原因になる。したがって、離乳食を開始する頃までには十分なスキンケアの介入が必要。(濡れたタオル・ガーゼで良く拭き取る、ワセリンでの皮膚の保護、ステロイド軟膏による皮膚の炎症の抑制)
2)入浴は38〜39℃程度が適温。石けんを使った場合は十分にすすぎを行うこと。すすぎが不十分で石けんが残っていると、皮膚のくびれに皮膚炎が生じることがある。石けんで洗うときはスポンジ・タオルは使わず手でそっと優しく泡立てて洗うように心がける。石けんを使って皮膚がかさつくようなら、石けんを使う頻度を減らすか、石けんは使わないようにする。
3)軟膏の使い方 チューブから指先に2cmほど出す。これが約0.5gに相当し(1FTU=one finger tip unitと言う。保湿剤・ステロイドも同様)これで約大人の手のひら2つ分の面積に塗ることができる。ローションならコイン1個分がこれに相当する。顔や首などよだれが付きやすい場所は必要に応じて保湿剤は何回塗ってもかまわない。体は朝・夜(入浴後)の1日2回の使用が基本になる。皮膚の炎症(発赤・じくじく)がある場所へは保湿剤塗布後にステロイド軟膏を1日2回重ねて塗る。軟膏類は一度開封したら1〜2ヶ月程度で早めに使い切ることも重要。 皮膚の炎症が改善すれば、ステロイド軟膏は中止しても問題ないが、ステロイド軟膏を止めると赤くなるのを繰り返すようなら、1日1回塗布と使う回数を減らす、あるいは1週間に1〜2回だけ予防的に使うようなやり方も有効である。 |